- freeeとマネーフォワード、どちらを選べばいいか迷っている
- 自分の事業規模や業種に合った会計ソフトを知りたい
- 料金プランや機能の違いを詳しく比較したい
- 会計初心者でも使いやすいのはどちらなのか知りたい
クラウド会計ソフトの二大巨頭「freee」と「マネーフォワード」。どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、実際に両方のサービスを使い込んだ経験から、機能・料金・使い勝手など、様々な角度から徹底比較します。




freeeとマネーフォワードの概要
まずは両社の特徴や違いを簡単に紹介します。
freee | マネーフォワード |
2012年設立のクラウド会計サービス | 日本を代表するクラウド会計サービス |
会計初心者にも使いやすい設計 | 従来の会計ソフトに近い設計 |
会計用語を平易な言葉に置き換え | 会計経験者に馴染みやすいUI |
個人事業主からの支持が特に多い | 零細・中小企業での利用が多い |
直感的な操作感を重視 | 多機能性と連携の豊富さが特徴 |






料金プラン比較
料金面での比較は多くの方が気になるポイントです。個人事業主向けと法人向けに分けて見ていきましょう。



マネーフォワードは2025年6月から値上げするから注意やで!!
個人事業主向けプラン比較
個人事業主向けプランでは、同等機能で比較するとマネーフォワードの方が若干安く利用できる傾向にあります。特にスタンダードクラスの機能を求める場合は、マネーフォワードの「パーソナル」プランの方がfreeeの「スタンダード」より約8,400円/年お得です。
法人向けプラン比較
法人向けプランでは、最安値のプランを比較すると同等の価格設定ですが、中間~上位プランではマネーフォワードの方が若干安い傾向にあります。一方、freeeには資金繰りシミュレーションや予実管理などの高度な機能を備えた「プロフェッショナル」プランが用意されていますが、マネーフォワードにはそのような最上位プランはありません。






基本機能の比較
では次に、両サービスの主要機能を比較していきましょう。
帳簿付け・入力方法
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
入力画面 | 会計専門用語をほとんど使用せず | 従来の会計ソフトに近い設計 |
勘定科目表示 | わかりやすい解説付き | 標準的な勘定科目表示 |
入力方法 | 「何をいくらで買った/売った」という感覚 | 複式簿記形式の入力 |
向いているユーザー | 簿記知識が少ない初心者 | 会計経験者・簿記知識がある人 |
freeeの入力画面は会計の専門用語をできるだけ使わず、初心者でも迷わず入力できるよう工夫されています。一方、マネーフォワードは従来の会計ソフトに近い設計で、会計経験者には馴染みやすいデザインです。
自動仕訳機能
両サービスとも、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、会計ソフトに反映させる「自動仕訳」機能を提供しています。
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
特徴 | 「自動登録ルール」の設定が可能 | 連携サービスの豊富さと同期速度 |
登録方法 | 同じ内容の取引を自動登録可能 | 仕訳のチェック画面が一覧で見やすい |
追加機能 | freeeカードとの連携 | マネーフォワードMEとの連携 |
強み | ユーザーのチェックなしでも記帳可能 | 家計簿データとの連携がスムーズ |
freeeの強みは一度登録した取引を同じ内容で自動登録できる「自動登録ルール」の設定が可能な点です。一方、マネーフォワードは連携可能なサービスの多さと同期スピードの速さが魅力で、特に「マネーフォワードME」との連携により家計管理と事業の会計を一元管理できます。


請求書作成とレシート読み取り
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
請求書機能 | 会計ソフトに標準搭載 人事労務は別料金 | 個人事業主向けは請求書・給与計算などセット 法人向けは別プラン |
レシート読取 | AI自動認識 日付・金額・店舗名などを抽出 | OCR機能で自動読取 プランにより制限あり |
入金管理 | 請求書と入金管理がシームレス | マネーフォワードMEとの連携で管理可能 |
バックオフィス機能 | 会計と請求書は一体 給与計算・勤怠管理は別料金 | 個人向けは経費精算・給与計算など一括 法人向けは機能ごとに契約 |
freeeでは会計ソフトに請求書機能が標準で含まれていますが、給与計算や勤怠管理を行う「freee人事労務」は別料金です。一方、マネーフォワードの個人事業主向けプランでは、請求書だけでなく経費精算、給与計算、勤怠管理などもセットで使えます。
使いやすさの比較
機能面だけでなく、実際の使いやすさも重要なポイントです。
UI/UXとモバイル対応
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
UI設計 | 初心者向けの直感的な設計 会計用語を平易な言葉に置換 | 従来の会計ソフトに近い設計 会計経験者に馴染みやすい |
モバイルアプリ | 外出先での経費登録やレシート撮影に対応 PCとのデータ連携もスムーズ | マネーフォワードMEとの連携が強み プライベートと事業の一元管理可能 |
操作性 | ウィザード形式の案内が充実 初めてでも迷いにくい | シンプルな画面設計 必要な機能にすぐアクセス可能 |






サポート体制の比較
困ったときのサポート体制も、会計ソフト選びの重要なポイントです。
freee | マネーフォワード | |
---|---|---|
問い合わせ方法 | メール、チャット、電話 AIチャットボットによる24時間対応 | メール、チャット、電話 サービスごとに窓口が異なる |
サポート時間 | 平日9:00~18:00 (繁忙期は延長あり) | 平日の営業時間内 チャットボットは24時間 |
税務サポート | 「freee税理士検索」サービス 上位プランでは税務調査時の補償あり | 確定申告期間中に税理士チャットサービス (期間限定、2025年実施は未定) |
freeeはメール、チャット、電話など複数のサポート窓口を提供し、プランによってはAIチャットボットでの24時間対応も可能です。一方、マネーフォワードもサポート体制は充実していますが、「クラウド確定申告」や「クラウド請求書」などでそれぞれ窓口が異なるため、少し煩雑に感じる場合があります。
freeeでは上位プランに「税務調査補償」や「乗り換え代行サポート」があります。特に他のソフトからの乗り換えを検討している場合は、freeeのプレミアムプランが便利かもしれません。
連携サービスの比較
金融機関連携
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
連携金融機関数 | 多数の金融機関と連携 | 2,400以上の金融機関と連携 |
連携方法 | API連携・手動アップロード | API連携・手動アップロード |
特記事項 | 2022年2月~2023年12月に 楽天銀行との連携一時停止あり | 金融機関連携が非常に強み 元々家計簿アプリとして発展 |
マネーフォワードは2,400以上の金融機関サービスとの幅広い連携が可能で、この点は特に強みとなっています。多様な銀行口座やクレジットカードの明細を連携させたい方には、マネーフォワードが適していると言えるでしょう。
外部サービス・API連携
両サービスとも様々な外部サービスと連携が可能です。
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
EC連携 | 主要ECサイト・決済サービスと連携 | POSレジ・ECサイトとの連携が充実 |
勤怠管理ツール | freee人事労務との連携が強み | 外部勤怠管理ツールと連携可能 |
API充実度 | 充実したAPIリファレンス 外部システム連携を想定した設計 | 基本的なAPI提供あり freeeと比較するとやや限定的 |
freeeは充実したAPIリファレンスを提供しており、外部システムとの連携開発がしやすくなっています。システム連携を重視する場合は、freeeの方が優位と言えるでしょう。
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
インボイス対応 | 完全対応 適格請求書の発行・管理可能 | 対応済み 適格請求書の発行・管理可能 |
電子帳簿保存法 | 標準対応 | 対応済み 2024年6月「クラウドBox」有償化 |
課題点 | 特になし | 電子データ保存に関する 追加料金発生の可能性 |
両サービスともインボイス制度や電子帳簿保存法には対応していますが、マネーフォワードでは2023年12月に個人プランを再値上げし、2024年6月には電子データの保存先「クラウドBox」の有償化も決定しました。追加コストが発生する可能性がある点には注意が必要です。
マネーフォワードでは電子帳簿保存法に対応するための「クラウドBox」が2024年6月から有償化されています。この点は特に注意が必要です。料金改定は頻繁に行われるため、導入前に最新情報を確認しましょう。
事業規模・業種別おすすめ比較
事業の規模や業種によって、適したサービスは異なります。
個人事業主におすすめなのは?
個人事業主プランでfreeeとマネーフォワードを比較すると、もっとも安く利用できるのがマネーフォワードのパーソナルミニプランです。コスト重視であれば、マネーフォワードの下位プランがおすすめです。
ただし、会計初心者の場合は、使いやすさを重視してfreeeを選ぶ価値はあります。サポート体制や簿記知識がなくても使える設計は、特に初めてクラウド会計を導入する方には大きなメリットとなるでしょう。
法人におすすめなのは?
規模・特徴 | おすすめサービス | 理由 |
---|---|---|
小規模法人 (簿記知識少) | freee | 初心者でも使いやすいUI 基本機能が充実 |
小規模法人 (簿記知識あり) | マネーフォワード | コストパフォーマンスが良い 操作に慣れやすい |
中規模法人 (経営分析重視) | freee (上位プラン) | 資金繰りシミュレーション 予実管理など管理会計機能あり |
中規模法人 (コスト重視) | マネーフォワード | 法人向け中間プランが freeeより安価 |
業種別のおすすめ
業種 | おすすめ | 理由 |
---|---|---|
小売・飲食業 | freee | レシート処理や売上管理が多い業種に 自動化機能が充実しているfreeeが便利 |
IT・Web業 | freee | 設定をしっかりすれば効率化できる点が ITに強い方に好まれる傾向あり |
士業・コンサルタント | マネーフォワード | 請求書発行が中心で複雑な仕訳が少ない場合 シンプルな操作性が使いやすい |
多店舗展開企業 | freee (上位プラン) | 細かい権限管理や豊富なレポート機能が 管理に役立つ |






乗り換え時の注意点
すでに他の会計ソフトを使っている場合、乗り換え時には注意が必要です。
乗り換え先 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
freeeへの乗り換え | 上位プランに「乗り換え代行サポート」 サポートがあり安心 | 全データが完全に引き継げるわけではない 移行前の確認が必要 |
マネーフォワードへの乗り換え | 従来の会計ソフトに近い設計で 操作感覚が近い | 自分でのデータ移行作業が基本 サポート体制に差がある |
料金だけを理由に乗り換えるのは危険です。会計ソフトの乗り換えは非常に大変なため、価格だけで判断すべきではありません。無料トライアル期間を活用して、実際に使い勝手を確かめてから決断することをおすすめします。
ユーザー診断チャート:自分に合うのはどっち?
以下の質問に答えていくことで、あなたに合った会計ソフトが見えてきます。
- ほとんどない → freee
- ある程度ある/他の会計ソフト経験がある → マネーフォワード
- 使いやすさ・サポート → freee
- 費用の安さ・機能の多さ → マネーフォワード
- 会計だけでなく請求書や給与計算も一元管理したい → freee(法人向け)
- バックオフィス全体の業務を低コストで → マネーフォワード(個人向け)
- 重視する → freee(上位プラン)
- あまり重視しない → マネーフォワード
診断チャートはあくまで傾向を示したものです。価格や機能、サポート体制などを踏まえて、より自社に合っている製品を選ぶといいでしょう。診断結果によらず使いたいと思ったソフトを利用することが一番です。
FAQ:よくある質問
- freeeとマネーフォワード、無料で試すことはできますか?
-
はい、両サービスとも無料トライアル期間があります。freeeでは全プラン、マネーフォワードではパーソナルプランを無料で試すことができます。お試し期間を利用すれば事前にソフトの使い勝手が分かるため、導入後に後悔するリスクを抑えることができます。
- 他の会計ソフトからデータを移行できますか?
-
両サービスともに他の会計ソフトからのデータ移行は可能ですが、移行できる情報には制限があります。freeeの上位プランでは「乗り換え代行サポート」があり、サポートスタッフがデータ移行を手伝ってくれます。マネーフォワードは他の会計ソフトからの乗り換えがしやすいように設計されていますが、基本的には自分でデータ移行を行う必要があります。
- どちらのシェアが大きいですか?
-
2022年4月のMM総研の調査によると、個人事業主向けクラウド会計ソフトのシェアはfreeeが25.4%、マネーフォワードが15.5%となっています。freeeの方がシェアは大きいですが、両サービスとも多くのユーザーに支持されている人気サービスです。
- 確定申告書類の作成はどちらも可能ですか?
-
はい、どちらのサービスも確定申告・決算書作成に必要な機能は充実しています。freeeでは青色申告決算書や白色申告収支内訳書、確定申告書などを自動で作成でき、e-Taxでの電子申告にも対応。マネーフォワードも同様に確定申告書類の作成から電子申告までをサポートしています。
まとめ:各サービスのメリット・デメリット
比較 | freee | マネーフォワード |
---|---|---|
メリット | ・会計初心者でも使いやすい直感的な操作感 ・充実した自動化機能で入力作業を最小限に ・手厚いサポート体制と税理士紹介サービス ・法人向け上位プランでは管理会計機能も充実 | ・コストパフォーマンスの高さ(特に個人事業主向け) ・金融機関連携の豊富さ ・従来の会計ソフトに近い操作感で経理経験者に馴染みやすい ・個人向けプランではバックオフィス機能が総合的に利用可能 |
デメリット | ・マネーフォワードと比較して若干料金が高い ・従来の会計ソフトとは操作感が異なるため、経験者は慣れが必要 ・人事労務系のサービスは別料金 | ・会計初心者にはやや専門的で難しく感じる場合も ・サービスごとに窓口が分かれていて連絡がやや煩雑 ・機能を追加するたびに値上げの傾向あり |
どちらのサービスも優れたクラウド会計ソフトですが、自分の知識レベルや業務ニーズによって最適な選択は変わってきます。まずは無料トライアルを活用して、実際に触ってみることをおすすめします。freeeもマネーフォワードも無料でお試しできるので、この記事を参考に自分に合ったサービスを見つけてください。



免責事項: 本記事の情報は2025年4月時点のものです。各サービスの料金プランや機能は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。
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