【会計士監修】freee会社設立のメリット・デメリットを完全解説 | 約10万円安く会社を作る方法

会社設立の手続きは複雑で、何から始めれば良いのか迷う方も多いでしょう。「専門家への依頼は費用が高い」「自分でやるには不安がある」というジレンマを解決するのが「freee会社設立」です。

この記事では、freee会社設立の機能やメリット・デメリット、他社サービスとの比較を解説します。自分に合ったサービスを選ぶための判断材料にしてください。

freee会社設立とは？基本機能と特徴

freee会社設立は、freee株式会社が提供するオンライン完結型の会社設立支援サービスです。現在50,000社以上が利用し、初めて起業する方やコスト重視の方に人気があります。

freee会社設立の主な機能

• 定款の自動作成（電子定款に対応）
• 法人登記に必要な各種書類の作成
• 電子定款認証代行と公証役場のオンライン面談予約
• 法務局への電子申請と法人口座開設サポート

対応している会社形態

• 株式会社
• 合同会社

freee会社設立の3ステップ設立フロー

freee会社設立での会社設立は、3つのシンプルなステップで完了します。

freee会社設立の5つのメリット

1. 費用を大幅に削減できる

電子定款を利用することで印紙代4万円が不要になり、専門家に依頼するよりも約10万円安く会社を設立できます。

費用項目	freee会社設立	紙の定款自作	専門家に依頼
定款準備	0.5万円	4万円	0万円
定款認証	3.2万円	3.2万円	3.2万円
登録免許税	15万円	15万円	15万円
設立手数料	0万円	0万円	10万円
合計	18.7万円	22.2万円	28.2万円

2. 全てオンラインで完結できる

freee会社設立は「法人設立ワンストップサービス」と連携しており、会社設立手続きをオンラインで完結できます。窓口に行く手間や待ち時間を省き、自分の好きな時間に手続きを進められます。

操作が直感的で初心者にも使いやすい

専門知識がなくても画面の指示に従って入力するだけで、会社設立に必要な書類が自動生成されます。法律用語にも分かりやすい解説が付いているため、初心者でも安心です。

4. 無料で専門家に相談できる

freee会社設立には「起業ダンドリコーディネーター」が常駐しており、起業に関する悩みを無料で相談できるのが魅力です。電話、LINE、メールなど多様な方法で相談可能です。

5. 会計ソフトとシームレスに連携

会社設立時の情報を自動でfreee会計に引き継げるため、設立後の経理業務をスムーズに始められます。初期段階から効率的な経理システムを構築できる点が大きなメリットです。

freee会社設立の4つのデメリット

1. 全ての手続きを自己完結する必要がある

freeeは会社設立の手続きをサポートしてくれますが、完全な代行サービスではありません。最終的には自分で手続きを進める必要があります。

2. 特殊な事業形態には不向き

一般的な株式会社や合同会社の設立には適していますが、特殊なケースには対応が難しい場合があります。

• 外資系企業の設立
• 特殊な許認可が必要な業種（建設業、不動産業、金融関連など）
• 複雑な株式構成や出資形態
• 複数の事業所を同時に設立する場合

3. アフターサポートの限界

設立手続き自体はスムーズですが、専門的なアドバイスが必要な場合は、税理士や社会保険労務士などの専門家と別途契約する必要があります。

• 節税対策などの高度な税務戦略
• 会社成長に伴う長期的な経営相談
• 税務調査や法的トラブル時の対応

freee会社設立のメリット・デメリット比較表

freee会社設立の特徴を一目で理解できるよう、主要なメリットとデメリットを比較表でまとめました。自分の状況や優先事項に照らし合わせて判断の参考にしてください。

観点	メリット	デメリット
費用面	・電子定款で印紙代4万円を節約 ・専門家依頼より約10万円安い	・行政手続き費用は必要 ・特殊な許認可が必要な業種は別途費用発生
手続き方法	・オンラインで完結可能 ・24時間いつでも作業可能 ・窓口訪問の手間が省ける	・全て自分で手続きする必要がある ・一部書類は郵送または持参が必要な場合も ・マイナンバーカードが必須
操作性	・直感的な画面設計 ・ステップガイド付きで初心者でも安心	・特殊なケースには対応困難 ・オンラインツールに不慣れな人には難しい
サポート	・電話・LINE・メールなど多様な相談方法 ・相談回数無制限	・専門的な税務戦略などは対応困難 ・特殊業界特有の問題への対応は限定的
設立後の連携	・freee会計とシームレスに連携 ・設立情報が自動で会計ソフトに引き継がれる	・他社会計ソフトとの連携は限定的 ・専門的な経営相談は別途必要

freee会社設立の料金・費用詳細

freee会社設立の利用自体は無料です。ただし、会社設立には行政手続きにかかる費用が必要になります。

株式会社と合同会社の設立費用

freee会社設立を利用する場合の費用内訳は以下のとおりです。株式会社と合同会社では必要な費用が大きく異なります。

項目	株式会社	合同会社	備考
定款準備	5,000円	5,000円	電子定款の認証代行費用（freee会計年額契約者は無料）
定款認証料	3〜5万円	不要	株式会社のみ必要。資本金額により金額が変動
登録免許税	15万円	6万円	資本金の0.7%か最低額（株式会社15万円、合同会社6万円）の高い方
合計	約18.7〜20.7万円	約6.5万円	合同会社の方が約12万円お得

他のサービスとの比較

会社設立支援サービスには、freee以外にも「マネーフォワード」「弥生」などがあります。主要サービスの特徴を比較してみましょう。

項目	freee会社設立	マネーフォワード	弥生のかんたん会社設立
利用料	無料	無料	無料
電子定款費用	5,000円 （年額契約で無料）	5,000円 （年額契約で無料）	0円
公告方法	官報・電子公告 （電子公告：3,980円/年）	官報・電子公告 （電子公告：3,980円/年）	官報のみ （70,000円〜）
サポート体制	起業ダンドリコーディネーターによる無料電話サポート	メール・問い合わせフォーム・チャット	チャット・メール・電話 （設立代行：50,000円）
特徴	直感的な操作性 初心者向けガイダンス	ビジネス向け機能充実	設立代行サービスあり

freee会社設立がおすすめの人・おすすめできない人

あなたの状況に合わせて、freee会社設立が適しているかどうか判断する参考にしてください。

freee会社設立がおすすめの人

• 初めて会社を設立する方：ガイド付きで専門知識不要
• コストを抑えたい方：専門家依頼より約10万円お得
• 自分のペースで進めたい方：24時間いつでも作業可能
• freee会計を利用予定の方：設立後の経理をスムーズに開始

freee会社設立がおすすめできない人

• 全ての手続きを代行してほしい方：完全代行ではないため
• 特殊な事業形態の会社を設立する方：外資系や特殊許認可業種は難しい
• 専門的な税務戦略が必要な方：税理士の助言が別途必要

freee会社設立の利用に必要な準備

freee会社設立でオンライン手続きを行うには、事前に以下のものを準備しましょう。

• 発起人の印鑑証明書
• 法人印鑑（freee会社設立内でも購入可能）
• 電子定款費用
• 行政手続き費用（登録免許税など）
• マイナンバーカード（ワンストップサービス利用時）

freee会社設立は完全無料で利用できますか？

freee会社設立の利用自体は無料ですが、行政手続き費用（登録免許税や定款認証料）は必要です。電子定款認証代行費用（5,000円）は、freee会計の年額契約で無料になるキャンペーン中です。

freee会社設立だけで会社設立の手続きは完了しますか？

完全な代行サービスではないため、一部の手続きは自分で行う必要があります。ただし「法人設立ワンストップサービス」を利用すれば、多くの手続きをオンラインで完結できます。

会社設立にかかる期間はどのくらいですか？

電子定款の作成から登記完了まで、通常2〜3週間程度かかります。内訳は電子定款認証に3〜5営業日、公証役場面談・登記申請に数日、法務局での処理に約1週間です。

会社設立後、税務署や年金事務所への届出は必要ですか？

必要です。特に年金事務所への届出は登記完了後5日以内と期限が短いので注意が必要です。freeeでは設立後の届出書類作成もサポートしています。

まとめ：freee会社設立は初心者・コスト重視派におすすめ

freee会社設立は低コストで会社設立をサポートする優れたサービスです。初めて会社を設立する方や費用を抑えたい方の強い味方になります。

• 時間とコストのバランス：「コスト削減重視」ならfreee、「時間短縮重視」なら専門家
• 事業の複雑さ：「標準的な会社形態」ならfreee、「特殊な形態・許認可」なら専門家
• 自分の関与度：「自分でも理解しながら進めたい」ならfreee、「全部お任せしたい」なら専門家